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電波法(技適、形式確認、VCCI)


電波法(技適)


対象製品: (1)特定無線設備: 携帯電話、コードレス電話、SIMフリータブレット、Bluetooth、無線LANなど電波を出す機器。
(2) 電気通信事業法上の有線回線を用いる端末機器: FAX、電話機、モデム、

概要: 電波を発射するものには全て電波法で管理され、無線局免許が必要であり、無線局を操作する人間に対しては、無線従事者免許が必要。例外として、携帯電話や無線LANなどの一定の機器については無線従事者免許を不要にしている。また、電子レンジ、無線LAN、Bluetoohで使用されている2.45GHzと5GHzは世界的にISMバンド(ISMとはIndustry-Science-Medical)と規定され無線従事者免許は不要になっている。しかし、無線局免許は必要であるため、局免許申請時に技術的基準に適しているかの検査を総務省が行う。しかし、事前に総務省告示手続きに従った検査を認定検査機関にて行い、認証を受けて技適マークが付けられたものは免許申請手続き時の検査を省略できる。改造したもの及びマークの無いものは不法無線局の開設となり、違法になる。

http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/__icsFiles/artimage/2009/02/01/c_giteki_mar/giteki_new.jpg左が技適マーク。1 大きさは、直径3ミリメートル以上であること。
 2材料は、容易に損傷しないものであること。
 3色彩は、適宜とする。ただし、表示を容易に識別することができること。
 4設計認証番号の付定は次のとおりとすること。
 (1)最初の文字は端末機器の種類に従い次表に定めるとおりとする。

端末機器の種類

記号

電話用設備に接続される端末機器

A

無線呼出用設備に接続される端末機器

B

総合デジタル通信用設備に接続される端末機器

C

専用通信回線設備またはデジタルデータ伝送用設備に接続される端末機器

D

インターネットプロトコル電話用設備に接続される端末機器

E

インターネットプロトコル移動電話用設備に接続される端末機器

F


*二以上の端末機器が構造上一体となっているものについては、該当する記号を列記するものとする。

 (2)次に受付年西暦(下2桁)を付定する。
 (3)その後、当協会の通し番号(4桁)を付定する。
 (4)最後に登録認定機関の識別符号(3文字)を付定する。

{参考}認証番号の例

ACD

04

0100

001

端末機器種類

西暦

通し番号

登録認定機関識別符号



例えば、手持ちのiPhone6の表示は下記のようになっている。表示は画面の、
「設定→一般→情報→法律に基づく情報→認証」に表示しています。


四角Tは端末機器の認証を示し、ADFなので、通話機能、データ通信(WiFi、Bluetooth)、インターネットパケット通信の機能があり、2014年に78番で技術適合したもので、検査機関は003番の株式会社ディーエスピーリサーチであることを示す。四角Rは無線局としての認定であり、技適検査機関は003番の株式会社ディーエスピーリサーチであることを示し、取得は2014年で番号は126番であることを示している。
さらに、5GHzの無線LANはW52とW53であり、W56の屋外使用許可周波数は取得していない。よってIndoor Use Onlyと表示してある。

電波の使用については海外とは異なるので注意すること。下の図例は、「5GHz 帯無線LAN の周波数変更」に関するガイドライン第四版平成 25 年4 月1日(社)電子情報技術産業協会 パーソナルコンピュータ事業委員会 ホームデジタル専門委員会 無線LAN ガイドライン見直しWGからの引用の5GHz無線LANの例である。例えば、5.000〜5.091GHzという周波数帯は、本来は航空機の進入・着陸の誘導システム「MLS(Microwave Landing System)」用に国際的に確保されている周波数帯であり、当然、日本でもMLS向けに割り当てられているので、平成17年5月より登録制の無線アクセスシステムには使用されることになったが、無線LANには開放されていない。W53およびW56と呼ばれるチャネルの周波数帯は気象レーダーなどの重要な用途でも使用されている。従い、2007年1月までは各国が使用していた無線LANの5GHz帯域の半分は日本では使用してはいけなかったし、電波を屋外に漏らしてもいけなかった。よって、海外の5GHz無線LANを輸入し、使用すると不法無線局となっていた。もちろん、技適は通るはずもないので、マークは付けられていない。各地に配置されている気象情報の収集データが壊れたりするのを防ぐためであり、勝手に輸入したものを自分の家だけで使用するのも社会に影響を与えるということだと分かると思う。許可や規制は理由があっておこなっているのである。但し、法令を知らずに外国人が日本で違法電波を出力することもあるので、日本独自の周波数は徐々に変更している。そして、開放されていくのである。

(http://home.jeita.or.jp/page_file/20150518140317_EKt1H2lITb.pdf)より

実際はこのような対応は日本だけでのものではない。諸外国少しずつ独自の規制がある。これをあわせるためには、ソフトウエアでホモロゲーション管理しており、国識別をして、その周波数には電波を出さないとか、使用する電波や出力を制限している。パソコンの場合は国コードを管理するには限度があるが、スマホの場合はローミング時にキャリアセンスし、国識別をしているので、電話、WiFi、Bluetoothの電波形式、周波数、出力をその国に合わせることは容易である。日本でローミングできるようにキャリア間で合意ができている端末は、予めローミング国のホモロゲーション管理機構がファームウエアに組み込まれている。技適の審査はこの機構が働き、日本の基準に合った電波形式・周波数・出力で動き、余計な周波数で動かないか、不要電波を出さないかを審査している。

対応策: 輸入者は技適に適合させ、届出を行うこと。自主検査をする試験機器を備えていない場合は、総務省電波利用ホームページ − 電波利用に関する制度 ― 無線局機器に関する基準認証制度 ― 制度の概要(http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/equ/tech/)に記載されている検査機関で検査してもらう。検査後合格の符号が与えられるので、それを製品に表示すること。総務省への無線局届出は検査機関が代行してくれる。


電波法(形式確認)


対象製品: 電子レンジ、電磁誘導加熱式調理器(プレート型、炊飯器型IH調理器具)の2品目で高周波出力50ワットを超えるもの

概要:10kHz以上の高周波電流を流す通信設備、10kHz以上の高周波電流を利用する工業用加熱設備、医療用設備等については、設備から電波が発射されることになり、通信・放送電波および設備に影響を及ぼすため、個別設置許可が必要となっている。
但し、影響が少ない上記2品目に関しては、個別設置許可は不要とする形式認定を取っている。

対応策:機器が技術的基準に適合していることを自ら確認し、総務大臣に試験成績書とともに届け出る。機器に適合表示をする。



電波法(VCCI、不要輻射排出禁止)


対象製品:情報技術装置 

例として、1.使用場所が固定されていない装置:例えば、組み込み電池を電源として動作するポータブル装置。
2.電気通信回線から電源を供給される電気通信端末装置。
3.パーソナルコンピュータおよびそれらに接続される周辺装置。
4.ファクシミリ
などを指す。

概要:一般財団法人VCCI協会の妨害電波に関する自主規制システムである。使用する場所によりクラスAとクラスBがある。クラスAは、オフィスや工場を使用環境として想定しており、クラスBは家庭環境での使用を想定している。
マークを取得するには、VCCI協会の会員になり、適合試験を受けなければならない。会員が自社のITE(Information Technology Equipment 情報技術装置)に対して、日本国内への出荷に先立ち妨害波規制を実施する。会員は、ITEのクラスを区分し、適合確認届出を行ったあと、機器に所定の表示を行ったものを出荷するということになる。
クラスA装置はラベル、クラスB装置はマークを、それぞれ表示することになっている。
クラスA装置のラベル例:

VCCI-B製品に表示するマークは以下の通り。

対応策:一般財団法人VCCI協会の会員になり、検査を受ける。
合格後マークを表示する。

 JIS 工業標準化法

 電気事業法