行政書士 EIL国際法務事務所  support@eilconsulting.com

Step 1: 日本でのビジネスモデルを決める


まず、日本で何をどうするのかをきちんと考える必要があります。

1-1職種により財務大臣の許可が必要
日本に投資する場合は、日本銀行経由で財務大臣に許可を得なければなりません。また、業種によっては各省庁の事前許可を得る必要があります。これを怠ると、せっかく時間と資金を投入して設立した会社が、活動禁止に陥ることが有ります。

対日投資:
ここでは日本へ会社進出のケースだけを書きます。対日投資のケースはここに挙げただけではないので注意してください。
(1)外国人・外国法人が日本の会社に投資する場合。(代理店など現実に日本に存在する会社を買収したり、日本の会社の株主となって、日本での拠点として活動する)
(2)外国人・外国法人が日本に支社・支店・工場その他の事業所を接地すること。(通常、このケースですね。新たに設置するものです。)
(3)日本の法人に対して1年を超える金銭の貸付 (日本にある会社に出資という形を取らず、カネを貸すという形で実効支配し、拠点にする)
(4)日本の会社が発行した社債を引き受ける (株主とはならないが、資金供与をおこなうとき)

この業種は許可が要らないですとは、ここでは言えません。必ず許可をもらわないと日本に進出できない業種が存在します。例としては、事業目的が銀行、外国保険会社、ガス事業、電気事業、第一種金融商品取引業、投資運用業、外国信託会社および資金移動業などがあります。詳細についてはお問い合わせください。また、投資金額により許可・不許可が異なる場合があります。

1-1-1事前届出
対内直接投資の事前届出となるのは、次の(1)、(2)、(3)のいずれかに該当する場合です。

(1)外国投資家の国籍が「日本または掲載国」以外のもの。
掲載国については直接投資命令別表1に定義されているので、これに該当するかどうか調べます。

掲載国 直投命令別表1(国名は略称であり、正式名称ではないので、注意の事)

1アイスランド

2アイルランド

3アメリカ合衆国

4アラブ首長国連邦

5アルジェリア

6アルゼンチン

7アルバニア

7の2アルメニア

8アンゴラ

9アンティグア・バーブーダ

10イスラエル

11イタリア

12イラン

13インド

14インドネシア

15ウガンダ

15の2ウクライナ

16ウルグアイ

17英国

18エクアドル

19エジプト

20エストニア

21エチオピア

22エルサルバドル

23オーストラリア

24オーストリア

25オマーン

26オランダ

27ガーナ

28ガイアナ

29カタール

30カナダ

31ガボン

32カメルーン

33ガンビア

34カンボジア

35ギニア

36ギニアビサウ

37キプロス

38キューバ

39ギリシア

40キルギス

41グアテマラ

42クウェート

43グルジア

44グレナダ

45クロアチア

46ケニア

47コートジボワール

48コスタリカ

49コロンビア

50コンゴ共和国

51コンゴ民主共和国

52サウジアラビア

53サモア

54ザンビア

55シエラレオネ

56ジブチ

57ジャマイカ

58シリア

59シンガポール

60ジンバブエ

61スイス

62スウェーデン

63スーダン

64スペイン

65スリナム

66スリランカ

67スロバキア

68スロベニア

69スワジランド

70セネガル

71セントクリストファー・ネーヴィス

72セントビンセント

73セントルシア

74ソロモン

75タイ

76大韓民国

77台湾

78タンザニア

79チェコ

80チャド

81中央アフリカ

82中華人民共和国

83チュニジア

84チリ

85デンマーク

86ドイツ

87トーゴ

88ドミニカ

89ドミニカ共和国

90トリニダード・トバゴ

91トルコ

91の2トンガ

92ナイジェリア

93ナウル

94ナミビア

95ニカラグア

96ニジェール

97ニュージーランド

98ネパール

99ノルウェー

100バーレーン

101ハイチ

102パキスタン

103パナマ

104バヌアツ

105バハマ

106パプアニューギニア

107パラグアイ

108バルバドス

109ハンガリー

110バングラデシュ

111フィジー

112フィリピン

113フィンランド

114ブータン

115ブラジル

116フランス

117ブルガリア

118ブルキナファソ

119ブルネイ

120ブルンジ

121ベトナム

122ベナン

123ベネズエラ

124ベリーズ

125ペルー

126ベルギー

127ポーランド

128ボツワナ

129ボリビア

130ポルトガル

131香港

132ホンジュラス

133マーシャル

134マカオ

135マケドニア旧ユーゴスラ

ビア共和国

136マダガスカル

137マラウイ

138マリ

139マルタ

140マレーシア

141ミクロネシア

142南アフリカ共和国

143ミャンマー

144メキシコ

145モーリシャス

146モーリタニア

147モザンビーク

148モナコ

149モルディブ

150モルドバ

151モロッコ

152モンゴル

153ヨルダン

154ラオス

155ラトビア

156リトアニア

157リヒテンシュタイン

158ルーマニア

159ルクセンブルク

160ルワンダ

161レソト

162レバノン

163ロシア

この表に名前があれば、まずは一安心。この表にない国の会社であれば、事前届が必要。

(2) 投資先の事業目的が「事前届出業種」であるもの。
○ 業種を定める告示別表第一の第一号〜第四号においては、武器や航空機等の製造業や修理業、武器や航空機等の製造用に特に設計した素材や部分品、製造装置等の製造業や、武器や航空機、人工衛星等を使用するために特に設計したプログラムに関するソフトウェア業が規定されております。
○ また、業種を定める告示別表第一第五号・第六号においては、輸出貿易管理令別表第一の二から四までの項に掲げる大量破壊兵器関連汎用品と、輸出貿易管理令別表第一の五から十五の項までに掲げる通常兵器関連汎用品のうち特に機微性が高い一部製品の製造業を規定しております。
事前届が必要な業種は危険な業種ですので、大体の業種はこれに該当しません。
今までチェックした項目で(1)に名前があり、(2)の業種でなければ、次のイラン関係かどうかだけになります。イラン関係でなければ事前届出は不要となります。

(3) イラン関係者により行われる、一定の行為に該当するもの
イラン関係者である場合、一定の行為はお問い合わせください。


1-1-2 事後届出
対内直接投資は、1992 年1 月の改正外為法施行により、そのほとんどが事後報告となりました。事後報告の対象となるのは、次の(1)、(2)、(3)のいずれにも該当する場合です。

(1) 外国投資家の国籍が日本または「直投命令別表1」に掲げる国または地域(「掲載国」といいます)であるもの。
事前届け出の項の表を参照してください。

(2) 投資先が行う事業のすべてが、業種を定める告示で定められた別表第三に掲げる業種(事後報告業種)であるもの。
この表の業種は量が多いので割愛しますが、政府事業以外のほとんどの業種がカバーされます。一般企業が行う企業活動はほぼこの表に含まれているとおもわれます。詳細は日本銀行ホームページ内の業種を定める告示別表(https://www.boj.or.jp/z/tame/t-redown2014/niran.pdf)にありますので、参照してください。別表二と別表三の区切りが判りにくいので注意が必要です。

(3) イラン関係者により行われる、イランの届出に係る対内直投を定める告示第一号に掲げる次の行為以外のもの。
これにも該当しないことが必要ですが、次の行為というのはお問い合わせください。


1-1-3 届出不要の場合
支店等の設置のうち、事業目的が事後報告業種に該当するもの。
つまり、事後届に該当する会社を設立する場合は、事後届しなければなりませんが、同じ業種であっても、会社ではなく、営業所や支店の設置であれば、事前も事後も届出自体が不要となります。事前届に該当する業種であれば支店や営業所でも許可が必要なので注意してください。
例えば、台湾のPCメーカーであるABC Inc.(ABC有限公司)が日本に進出する場合の例を述べます。台湾は「直投命令別表1」に掲げる国または地域(「掲載国」該当国のリストにあります。また、「業種を定める告示で定められた別表第三」の民生品であり、BTOなど日本で組み立てや製造をするのであれば、「3032 パーソナルコンピュータ製造業」に該当し、産業用途で有れば、「3031 電子計算機製造業(パーソナルコンピュータを除く)」該当します。また、本国は製造業ですが、対日投資したい日本法人は販売のみで製造を伴わない場合は、「5431 家庭用電気機械器具卸売業」もしくは「5432 電気機械器具卸売業(家庭用電気機械器具を除く)」に該当します。そして、イラン人が関係していなければ、事後届け出業者と言うことになります。
日本に設立する法人の形式が会社であれば、事後届け出業者として届けなければなりませんが、単なる営業所の場合は、事後届出も不要となります。但し、後に述べる登記作業は必要となります。

1-1-4 届出者
対内直接投資の事後報告または事前届出を行うのは外国投資家です。外国投資家が非居住者の場合は、「居住者である代理人」が行います(直投令6 条の3 2 項<報告>、直投令3 条4 項<届出>)。なお、報告書または届出書への委任状の添付は不要です。

届出は窓口持参も可能ですが、「日本銀行本店あて直接郵送(郵便番号103 ー8660 日本郵便株式会社 日本橋郵便局私書箱30 号日本銀行国際局国際収支課外為法手続グループあて)していただきますようお願いします。」と表示してあり、郵送が一般的です。

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 外国企業の日本進出