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輸出するときに知っておくべき法令、規制、自主規制の種類と方法



輸出するときは、主に安全保障貿易に関する事項を注意します。

安全保障貿易に関することを無視しますと、アメリカなど同盟国の安全をも不安定に陥れることになり、ひいては日本という国が信用されなくなりますので、厳格な審査の上、輸出しなければなりません。

個人輸出も気を付けて

Amazon、eBayなどに出品する小規模店舗や個人の方は、FedexやDHLなどの宅配便で送れば済むぐらいの感覚でしかない人も多いのが現実です。海外で何か問題が起これば、輸出したあなたが逮捕されたり、アメリカのブラックリスト(Denied Persons:取引権限停止者)に指定され、米国原産品の輸入やそれを使用した製品の日本からの輸出ができなくなります。

おもちゃ程度と思って、空撮用のヘリコプターを輸出したら、それで敵国が軍事施設を空撮して、輸出者が逮捕されれば、国際的な犯罪者となってしまいます。製品のレベル、製品の用途、使用者の3点が安全でなければいけません。

なので、この問題は大手商社や貿易会社の問題だと思ってはいけません。

輸出して誰かに使用させるということは、有償無償問わず、輸出者等とみなされます。個人輸出でも関係ありません。


例えば、海外では日本のアニメが人気なので、日本で売ってるアニメ本を海外のサイトで販売するという場合、市販本は輸出許可のいらないものなので、FedexやDHLなどの運送会社さんはすんなりと送ってくれていると思います。ただし、許可が要らないというのを判定して送るのと、知らないで送るのは全く異なります。許可不要と思っていたのではなく、きちんと該非判定する義務が輸出者には課せられているのです。「輸出者等遵守基準を定める省令」第1条第1号に該非確認責任者を選任すること、輸出関連の業務従事者に対し最新の法及び法に基づく命令の周知その他関係法令の規定を順守するために必要な指導を行うこととされています。

どんなに規模が小さくても輸出者は最低これだけは守らなければならないのです。海外に発送することのある本屋さんであっても、雑貨屋さんであっても同じです。


もし、御社がリスト規制品の該当品を扱っている場合、これだけでなく、輸出業務統括管理責任者の選任、権限責任の規定作成、該非確認手続きの規定作成、該当品の用途確認手続きの作成および用途確認を実際に行うこと、書類と製品の同一性の確認ということを行わなければなりません。さらに、努力項目もいくつかあります。


解らなければ、ご相談ください。社内体制の構築、輸出関連従業員に対するセミナー等いたします。その記録を残すことで、輸出関連業務に携わる従業員教育とできます。

ご自分の身を守るためにも、適法輸出しましょう。

ご相談はメールで。

パラメータシート、該非判定、非該当証明

日本から輸出される製品は国家安全保障の観点から、敵国がハイテク製品を入手し、大量破壊兵器や軍用品を作る可能性のある製品をリストアップして、輸出を規制しています。そのリストにあるかどうかを判定するのが該非判定です。
戦車の絵
該当品であれば輸出できないというわけではなく、所定の手続きを取って輸出するということになります。

非該当品であれば、通常の相手先に対しては輸出許可が不要となりますので、輸出者はメーカーから非該当証明をもらいたいということになります。輸出者はメーカーの非該当証明書をもって、輸出許可不要の証明にするためです。
なので、非該当証明を求められることがあります。

もし、あなたが、仕入れた製品を輸出する場合、仕入れ先から非該当証明または該非判定書をもらっておかなければなりません。該当品か非該当品かも知らずに製品を輸出していたのでは輸出者等遵守基準を守っていないことが明白です。

もし、あなたが、取引先から求められた場合、該非判定書を提出する義務はありません。まあ、取引先との関係が悪くならないように提出する会社が多いですが、輸出されたくない等の理由で拒否されることも多いです。

もし、あなたが、国内取引だけしか行なっておらず、今までにこうした言葉を聞いたことがなければ、ご連絡ください。今から海外展開する業者と付き合うので、体制づくりから始めるというのであれば、お手伝いします。また、取引先から無理に言われたので、一度だけ無理やり対応するということであれば、当方で該非判定書・非該当証明書もしくはパラメータシートを作成します。

もしあなたが、自社の設計品を輸出したいが、誰にも該非判定書をもらえないというのであれば、該非判定書の作り方のコンサルティングをいたします。次からは自分で作れるようになります。そして、不安なことが起これば再度コンサルティングに伺います。

もし、あなたが、非該当証明を必要としているが、相手が対応してくれない、海外メーカーでうまく通じない、製造元が倒産して該非判定書が入手できないということであれば、当方で作成します。ご連絡ください。
 <非該当証明に進む

輸出先のこと

該非判定書・非該当証明書は単に製品がリスト規制品に該当するか、非該当であるかの判定だけです。

該当品になれば、経済産業省に輸出許可申請をし、輸出許可が出てから輸出することになります。日にちがかかりますので、納期に気を付けなければなりません。また、輸出許可が出ないこともありますので、「輸出許可が出たときより本契約は有効となる」という文言を入れておかなければ、契約不履行になり、賠償請求されかねません。

非該当品の場合は自由に輸出できるかというとそうでもありません。相手の国により、可能不可能があります。
ホワイト国であれば非該当品は自由に輸出できます。ホワイト国は大雑把に言って北米、ヨーロッパの旧西側諸国が該当しますが、中国や台湾はホワイト国ではありません。よって、リスト規制品でなくとも、その製品を使用する相手が軍・警察・軍事関連企業、ブラックリスト(経済産業省のユーザーリスト)に乗っている法人、人に対してであれば輸出許可は省略できません。誰が使うのかはきちんと調べましょう。


国連武器禁輸国向けの輸出であると、軍・警察・軍事関連企業という需要者要件はなくなりますが、用途要件があります。
例えば、単なる鉄の玉(BB弾程度の大きさのもの)を大量に購入したいと言われ、リストでは規制品でない場合や、釘を大量に欲しいと言われて販売した場合、それらが爆弾の破壊力を増すために使用されるということであれば、リスト規制品でなくとも立派な武器に相当し、経済産業省の判定を仰がなければなりません。

国連武器禁輸国というのは、主に中東・アフリカ諸国でアフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、エリトリア、イラク、レバノン、リベリア、リビア、北朝鮮、ソマリア、スーダンとなります。

懸念国(イラン、イラク、北朝鮮)に対する輸出は特に厳しく管理されます。

ホワイト国は北米(カナダ、アメリカ)、南米(アルゼンチン)、ヨーロッパ(アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ルクセンブルク)、アジア(大韓民国)、太平洋地区(オーストラリア、ニュージーランド)です。

相手先の規制のこと

輸入の時に述べましたが、WiFi、Bluetooth、携帯電話などの電波を出す機器は必ず相手国の基準に適合していなければなりません。さらに、適合マークが求められます。例えば、台湾ではNCCと呼ばれ、認証マークだけでなく、電波登録料が登録時と個々の製品に科せられます。

また、国によりUL、CE、FCC、などの適合が要求されますので、必ず、輸出したい国の法規制を調べてください。

マニュアルは輸出する相手国の言語で書かれていた方が良いですが、翻訳等の問題でかなわない場合、最低限としては英語にすること、使用上の注意事項については現地語にすることが求められます。読めないマニュアルで感電・やけどなどを負ってしまえば、こちらの瑕疵になります。

UL

ULというのはアメリカの民間機関で、法的な順守基準はありません。ULを取っているか聞かれますが、法的には取らなければ輸出できないわけでも、販売できないわけでもありません。

ただし、UL基準に適合していないと、発火したなどのときに火災保険がおりません。UL基準に適合していない危ないものを使用したのだから自業自得というわけです。そこで、販売店もUL認証がないものは売ってくれません。というわけで、ULは法的強制力はないものの、商売上の必須要件となっています。

電気製品を輸出する場合は、どこの国向けでもUL認証はしておいた方が良いです。日本にも認証サイトがあります。

基準的には日本のJIS規格が通っているものであれば、通ると思いますので、あまりコンサルティングの必要はないかと思われます。

紛争鉱物

特に輸出相手国が米国ですと、相手企業から紛争鉱物確認書の提出を求められることがありますので、輸出する前に用意しておきましょう。これを取得するには非常に時間がかかっているのが現状です。

もし、あなたが電気製品のメーカーである場合、または電気製品の輸入業者である場合には、輸出業者から紛争鉱物の判定書を求められることがあります。

国際的に、紛争国の支援はしてはならないことになっており、コンゴなど紛争国から産した半田を使用した電気製品は販売できません。紛争国に金銭支援していることになるからです。紛争国も普通では買ってくれないことが分かっていますので、安く売っています。

海外製の安い電気製品に紛争鉱物が使われていれば、デッドストックとなり、販売できませんので、注意してください。

方法としては、半田付けしているメーカーに紛争鉱物の使用しているか否かの宣言書を出してもらうことです。例えば、あなたがパソコンメーカーで、マザーボードや電源を購入しており、自社で組み立て販売している場合を想定しますと。まず、電源メーカー、マザーボードメーカー、ハードディスクメーカー、メモリーメーカー等購入した部品メーカーすべてに証明書の提出を要求します。そして、例えばメモリーメーカーなら、メモリーとメモリーモジュールの接合に用いている半田やメモリモジュールの配線に使用している銅が紛争国の物ではないと宣言(半田や銅の素材メーカーの証明書で確認したうえで宣言)してもらうだけでなく、メモリメーカーにはメモリICメーカーに紛争鉱物である金・銀・半田等を使用していないことの確認書を取ってもらわなくてはなりません。つまり、自分は使ってないよでOKでなないのです。自分が購入した製品も紛争鉱物が使用されていないことを確認しなければなりません。メモリICメーカーはそれを保証するために、ウエハ、ボンディングワイヤー。リードフレームのメーカーから出所証明をもらっておかなければなりません。リードフレームメーカーは素材メーカーからその産出元の証明をもらっておくという風に、全ての材料に及びます。マザーボードメーカーは搭載しているIC、抵抗、コンデンサー、コネクタ、基板など全部品の証明書を入手しておかなければなりませんので、マザーボードメーカーの保有する資料は膨大になります。パソコンメーカーはこれらの原本を入手する必要はないですが、マザーボードメーカーが使用部品すべてを表にまとめたものと不使用宣言のセットで証明書を作成してもらい、それを入手する必要があります。

どこかのパスが切れると発行できなくなりますので、出せないという製品は紛争鉱物を使用している可能性が高いので、安くても買わないことです。

出所証明は代理で書くこともできませんので、意思疎通のお手助いぐらいしかできませんが、困ったことがありましたら、ご相談ください。

貿易証明
L/C取引をしていると、原産地証明を求められることが多いですが、このときに公的機関に証明をしてもらわなければなりません。
日本では、商工会議所方により証明が受けられます。商工会議所に提出するのは、ちゃんとした内容のものでなければならず、手書きは認められません。英語(フランス語、スペイン語)で、黒色の消えない活字で提出することになっています。中国語や日本語は認められていません。
ご自分で作成した申請書に証明のサインをして返してくれるので、それが、証明書となります。用紙にきちんと入らないとか、書き方が分からないとかでは証明が受けられません。窓口で教わって、やり直しても、一旦会社に帰ってパソコンか英文タイプライターで作り直さなければならないからです。そして、また窓口で間違いを指摘されたら、またやり直しです。
当方では証明自体は出来ませんが、商工会議所に提出する証明書を作成できます。また、代行して商工会議所に証明をもらってくることも可能です。
また、商工会議所では、原産地証明だけでなく、外国産証明、サイン証明、インボイス証明、日本法人証明など行なっていますので、それらの申請も可能です。<貿易証明に進む)

商工会議所の発行する原産地証明はMade in Japanを証明するだけで、L/C取引等用ですが、福島県の原子力発電所の事故以降、産品が福島県産や周辺県であるかどうかの証明を求める国や、農産物・水産物・酒・工業製品の放射性物質検査記録を求める国がありますが、これらに対応するための証明書取得のお手伝いも出来ます。
<産地証明に進む)




輸入業者も修理・返品などで輸出することがあるので、必ず輸出関連も見ておいてください。

また、当事務所は該非判定書の作成だけでなく、輸出入のトータルサポートをしますので、お気軽にご連絡ください。

ご相談は:support@eilconsulting.com

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