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輸入業者のためのPSE(9)


PSEに関する輸入業者特有の問題点  海外製造メーカーとの協力体制


電安法は海外メーカーを罰することはできません。よって、輸入業者にメーカー責任がかぶされるので、輸入業者はメーカーを十分にコントロールできなければなりません。しかし、海外メーカーには協力義務はありません。よって、必要な資料等が集まりにくい、資料整理が十分ではないという問題があります。

一旦契約すると、契約解除できず、販売できない粗悪品が倉庫に山積みになるということもよくあります。こうしたことにならないように、契約条件に「PSE対応ができなかった場合は、メーカーの責任であるので、本契約を結ばない」という内容と、「もし、PSE対応されていない商品が送られた場合には着払い運賃での返品ができる」旨明記しておく方が良いです。肝心なのは、PSEが完璧になるまでは本契約を結ばないことです。相手側は「契約しないとPSE対応ができない。人も金もかかるのに、契約していなければその人や金を出す根拠がない」などと言ってきます。しかし、契約してしまうと一転して何の対応もされなくなることが多いです。その場合、こちらの努力ではどうしようもありません。製品はゴミにしかなりません。

本契約を結んでいなければ、契約欲しさに色々動いてくれますが、本契約が済んでからPSEと言っても、取り合ってもらえません。納期が来ればどんどん商品を送ってきてしまいます。しかもそれは日本では売れません。

大量在庫


相手方もPSEは非常に扱いづらい法律だということがあります。パソコンを輸入する場合、パソコンメーカーはパソコンを設計、製造していますが、PSEで問題となるAC/DCアダプターや電池は電源メーカーや電池メーカーから購入しており、自社製品ではないことが殆どだからです。いくら日本から要求されてもパソコンメーカー自身の努力では何ともならないのです。電源メーカーに依頼して、適合証明書を取る、電源・電池の出荷の度に全数検査をしてもらい、検査記録をもらうという交渉はすべてパソコンメーカーが電源・電池メーカーに依頼しなければならないからです。パソコンメーカーの担当者もよくわからない上に煩雑なので、処理が置き去りにされがちです。

契約書には出荷数と同数の検査済記録簿を同封することを書いておき、同封ない場合には受け取り拒否もしくは、不良品が到着(DOA:Death on Arrival)したとみなし、送料相手払いで送り返すぐらいの取り決めがないと、きちんと対応されません。

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