PSC 消費生活用製品安全法
消費生活用製品安全法(PSC 消安法)
対象製品: 一般消費者の生活の用に供される目的で、通常、市場で一般消費者に販売されている製品(別表に掲げるものを除く)は、すべて法の対象製品となる。
消安消安法では、
消費生活用製品から除外される製品については明確に列記しているが、消費生活用製品そのものは列記していない。下記、特定製品および特別特定製品だけが対象であるわけではないことに注意。特定製品および特別特定製品は、消費生活用製品のうち特に規制を厳しくしたものであり、対象外製品以外はすべての製品が対象である。
消費者の生命・身体に対して特に危害を及ぼす恐れが多い製品については
特定製品(圧力鍋・圧力釜、二輪用ヘルメット、登山用ロープ、石油給湯器、石油ふろがま、石油ストーブ)としている。製品には
○PSCマークをつける。
特定製品の中で
特に重い規制がかけられているものを
特別特定製品(乳幼児用ベット、携帯用レーザー応用装置(レーザーポインターなど)、浴槽用温水循環器、ライター)と定義して厳重な管理を強いている。製品には
◇PSCマークをつける。
対象外製品: 消費生活用製品安全法別表、消費生活用製品安全法施行令第十三条及び別表三に規定されている。具体的には、船舶、船舶用機関、船舶用品、消火器、食品、洗浄剤、毒物・劇物、医薬部外品、化粧品、医療機器、車両、高圧ガス容器など他の法律で安全規制が図られている製品が対象外として掲げられる。
概要:消費者が日常使用する製品によって起きるけが、やけど、死亡などの人身事故の発生を防ぎ、消費者の安全と利益を保護することを目的としている。
国は消費生活用製品のうち、構造、材質、使用状況等からみて、一般消費者の生命、身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品を「特定製品」として指定し、特定製品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、製品毎に定める基準に適合した場合に付することができる表示が付されているものでなければ、特定製品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならないと制限されている。
対応策:(1)全ての市販製品の場合
届出等の義務はないが、製品が重大事故(死亡事故、重傷病事故(治療に要する期間が30日以上の負傷・疾病)、後遺障害事故、一酸化炭素中毒事故、火災)を起こしたときは、それを知った日から10日以内に、製造事業者又は輸入事業者は当該消費生活用製品の名称及び型式、事故の内容並びに当該消費生活用製品を製造し、又は輸入した数量及び販売した数量を内閣総理大臣に報告しなければならない。(消安法第35条第1項及び第2項)。これは義務であり、企業規模あるいは企業形態を問わず、国内にあるすべての消費生活用製品の製造事業者又は輸入事業者は、事故報告の義務を負う。
製品の接触不良により異常発熱し、出火する可能性がある製品を輸入したある会社では、事故の再発防止を図るため、ウェブサイトへ情報掲載し、新聞社告を掲載し、インターネット広告(yahooバナー広告)を行い、さらに、販売店においてポスター掲示、ダイレクトメールの送付により呼び掛けを行い、対象製品について製品回収・返金を実施して多大な出費を行っている。このため、義務ではないがSGマークの取得をしておく方が良いと思われる。詳細は6-3 SGマークの項を参照。
http://www.meti.go.jp/product_safety/producer/point/01.htmlより
(2)特定製品の場合
@特定製品の製造又は輸入の事業を行う者は、予め国(経済産業省本省、但し、工場又は事業場が一の管轄区域内のみにある場合は当該管轄経済産業局)に対し事業を開始する旨の届出が必要となる。
特定製品製造(輸入)事業届出書
○年○月○日
経済産業大臣 殿
□□工業株式会社※3
東京都中央区日本橋本町1-5-9
安全 太郎
消費生活用製品安全法第6条の規定により、次のとおり届け出ます。
1 事業開始の年月日 △年△月△日
2 製造(輸入)※1する特定製品の区分 □□□□※4
3 当該特定製品の型式の区分 別添1のとおり
4 当該特定製品を製造する工場又は事業場の名称及び所在地(特定製品の輸入を行う者にあっ ては、当該特定製品の製造事業者の氏名又は名称及び住所)※1
別添2のとおり
5 消費生活用製品安全法第6条第4号の措置の内容 別添3のとおり
(経済産業省ホームページより引用) |
A消安法の特別特定製品及び特定製品については、これらの製品の欠陥により、一般消費者の生命又は身体について損害が生じた場合に備え、その被害者に対しその損害を賠償するための措置を講じなければならない。具体的には、被害者一人当たり1千万円以上かつ年間3千万円以上を限度として填補する
損害賠償責任保険契約の被保険者となることが求められている。
添付資料(別添3)の書き方例:用紙の大きさは原則A4です。
当該特定製品の欠陥により一般消費者の生命又は身体について損害が生じ、その被害者に対してその損害の賠償を行う場合に備えてとるべき措置
当社が製造(輸入)を予定している特定製品はSGマーク制度の活用を予定しています。 |
と、届出書記載例に有るようにSGマーク制度を活用している場合は、「SGマーク制度の被害者救済制度を活用する」旨の書類で可となる。SGマークを取得することにより、製品の安全性および賠償保険の両方が適用できる。
B届出を行った事業者については当該特定製品について基準に適合するかどうかの検査を行い、その検査記録を作成して保存する義務がある。(自主検査)
特別特定製品の場合は自主検査に加え、販売時までに国内登録検査機関又は外国登録検査機関の適合性検査を受け、適合確認後に交付される証明書を保存しなければならない。
C特定製品を自主検査で技術基準に適合していることを確認した場合には、○PSCマークを、自主検査で技術基準に適合していることを確認し、認証機関での適合性検査を適合した特別特定製品は◇PSCマークを貼り付ける。マークは定格銘版に表示し、電気用品安全法、家庭用品品質表示法等各種表示に関する規定を守り、取扱注意事項等を表示する。表示していない製品は販売することができない。
D重大事故発生の場合は対応策(1)全ての市販製品のリコールと同様の手順を取る。
長期使用製品安全点検制度
技術的基準に関すること